食中毒の被害が1年で最も多くなるのは6月〜7月にかけての時期。
梅雨の時期「食中毒の危険」理由
①高温多湿な気候
食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌などの細菌は、気温28℃ 湿度70%を超えると爆発的に増殖する
②免疫力が低下
免疫力が低下した体内に食中毒の原因となる細菌が入ってきた場合、
胃の中で殺菌が追いつかず食中毒になってしまう。
どんなモノが食中毒になりやすいのか
このシーズンは腐ってもなくてカビも生えていなくて、見た目は何も変わらなくても食中毒になる。
見た目では分かりづらい食中毒の危険 3つ
・カレーの作り置き
・飲みかけのペットボトル
・手作り弁当
カレー
保存方法を間違えると食中毒の危険
カレーの保存方法トップ3
作りたて 約5000個
24時間後 | |
鍋のまま | 約2600万個(約5,200倍) |
冷ましてから冷蔵庫 | 約74,000個 |
熱いまま冷蔵庫 | 約6,600個 |
1gあたり10万個以上で食中毒の危険性
約2600万個の菌数では変なニオイはしない
加熱すれば菌の多数は死ぬが、食中毒を起こすウエルシュ菌は100℃で4時間熱しても死なない。
常温 4〜5時間で食中毒になる10万個/1gに到達
カレーの中にいる食中毒菌は30〜50℃で最も増殖
常温 30〜50℃の時間が非常に長い
冷まして 冷ましている間に30〜50℃に
熱いまま 30〜50℃の時間が短い
熱いまま入れると冷蔵庫が傷む、他の食材が傷んでしまう可能性もある。
→鍋敷きを敷く
→濡れたタオルなどでくるんで冷蔵庫
保存容器などで小分けにして早く冷ます
飲みかけのペットボトル
フタを開けてないペットボトルの中にはほとんど菌は入っていない。
フタを開けて口を付けると、皮膚についている黄色ブドウ球菌などの食中毒菌が入る。
それが飲み物の中で増えると食中毒の危険性が出てくる
水、緑茶、麦茶、オレンジジュース、カフェオレ、コーラ
を、口をつけて平均気温28℃、湿度70%の部屋に置いた結果
多
飲みたて | 24時間後 | |
---|---|---|
カフェオレ | 約600個 | 約517万5,900個 |
オレンジジュース | 約600個 | 約250万3,900個 |
コーラ | 約600個 | 約249万3,800個 |
麦茶 | 約600個 | 約3,700個 |
水 | 約600個 | 約1,100個 |
緑茶 | 約600個 | 約490個 |
少
黄色ブドウ球菌は、10万個以上/1gで食中毒の危険
金のエサ 糖分・たんぱく質など
緑茶 カテキンなどに抗菌作用
麦茶 原料の穀物は、炭水化物(糖分)
コーラ 500mlあたり糖分角砂糖約15個分
オレンジ 含まれている果糖→糖分
カフェオレ 糖分+牛乳のたんぱく質
グラスに入れて飲むと細菌は増えない。
菌を増やさないためには、コップに移して飲むか、冷蔵庫に入れて保存すると、菌の増殖を抑えることができる。
手作り弁当
梅干しおにぎり、海苔巻きおにぎり、唐揚げ、サラダ、ミニトマト、キュウリの酢の物
定番の6品を気温28℃、湿度70%、朝6:00に作り、12:00に食べると想定して6時間の検証
菌が少なかったおかずは、唐揚げ、キュウリの酢の物
菌が多かったおかずは、梅干しおにぎり、海苔巻きおにぎり、サラダ、ミニトマト
お酢 酸→強い抗菌作用
唐揚 揚げ物。高温で調理→細菌は死滅
衣が菌の侵入を防ぐ
揚げ物は食中毒が起きにくい
ミニトマト
ヘタあり 約1,100万個
ヘタなし 約10個
ヘタは顕微鏡で見るとデコボコしており、ここに菌がつくと洗っても取れない
おにぎりは手で握る
人の手には黄色ブドウ球菌が多く付着している
その菌がご飯に直接つくと、ご飯の水分と糖分によってどんどん増える
ラップを使って握ると、手からの菌の汚染は防ぐことができる。
手をどんなにキレイに洗っても完全に無くすことは無理
海苔 海苔とお米の間が蒸れて水分が多くなってしまう
食べる直前に巻くようにする
梅干し 殺菌効果は梅干しの周りだけ
梅干しを細かく刻んで全体に混ぜるといい
サラダ ブロッコリーは表面が複雑で完全な水切りができず、汁気が残っていると菌が増える
塩分の高いドレッシング→野菜の水分を引き出す
ドレッシング 食べる直前にかける
梅雨に気をつけるのは食べ物や飲み物だけではない
菌の温床となっているのが、まな板
菌が増えやすいまな板は、木のまな板よりプラスチックのまな板
市販のプラスチックのまな板の抗菌加工がされているのは表面だけ。
包丁で切れた底は抗菌されておらず、菌が増えてしまう。
木のまな板 スギやヒノキで作られたまな板は、木材自体に抗菌作用がある。
包丁で切った面でも、木なので同様に抗菌されている。
包丁の切り傷の目に合わせるように洗うと良い。
この差って何ですか? 2018年6月5日