「ワイシャツ」「カッターシャツ」現在ではどちらもまったく同じ。
スーツの下に着る襟付きのシャツのことを指している。
元々「ワイシャツ」と「カッターシャツ」は全く別の用途に着るシャツだった。
日本で先に生まれたのは「ワイシャツ」
元々襟付きシャツは、ヨーロッパで生まれ明治時代に日本へ伝わった。
ワイシャツとして日本で初めて販売したのは、石川清右衛門という人物。
清右衛門が襟付きシャツを外国人から受け取るときにある勘違いをしたため、ワイシャツ」という名前になった
1873年 明治初期 横浜
清右衛門が働くお店では、洋服や食器など様々なものを輸入していた。
「ホワイトシャツ」を「ワイシャツ」と聞き間違えたことから生まれた呼び名だった。
その後、清右衛門は大和屋シャツ店というお店を開き、ワイシャツを販売。
そのお店は現在も銀座に残っている。
「カッターシャツ」はどのようなものだったのか
カッターシャツが誕生したのは1918年(大正時代)
大手スポーツ用品メーカー「ミズノ」の創業者、水野利八がカッターシャツの生みの親。
発売した当初、カッターシャツは運動着だった。
利八のお店はスポーツ用品店で、野球用品や陸上用品を取り扱っていた。
画期的な商品はないか、と悩んでいたところ、新聞に載っているあるスポーツの記事を見て衝撃を受けた。
当時ヨーロッパで人気だったテニスの写真。選手の服装は襟のついたシャツだった。
テニスやゴルフなどヨーロッパ発祥の紳士のスポーツは襟付きシャツでプレイするのがマナーだった。
当時の日本では、スポーツする時は襟なしのラフな格好が一般的。今でいう肌着のようなものだった。
店でスポーツ用の「襟付きシャツ」を新商品として売り出そうとしたが、名前が決まらなかった。
趣味の野球観戦をしていた時、「勝った 勝った」と勝利を喜ぶ観客の姿を見た利八は「勝ったーシャツ」はどうだろうか、と思いつく。
「これならスポーツをするのに縁起も良いし売れるぞ!」と。
カッターシャツは、「勝ったー!」というダジャレから生まれた。